FC2ブログ

記事一覧

乱破者が走る

9.18に新譜『乱破(らっぱ)』が出る、はずだ。
だがいくつかの発売禁止・回収・不買運動‥‥の伝説を持つ頭脳警察×PANTAのことだ。
ここは「出るはず」に留めておく方が良いのかも知れないが、コイツのリハーサルにもレコーディングにも
丸ごと付き合ってしまった以上、何も書かずにはおけないだろう。また少し付き合って欲しい。
 
 春。ある日、PANTAからラフ音源が届いた。再生すると流れて来たのは、
ガサガサという物音に続くPANTAの声。
不機嫌そうに「ラッパモン」と呟いたPANTAはアコースティックギターを爪弾き始めた。
PANTAが部屋で一人で録ったのだろう、演奏はアコギ1本。だがそのササくれた音が聴く者を引っ掻くー
 新譜の一曲目『乱破者(らっぱもん)』が地上に這い出た瞬間だった。

 そのラフ音源は、おおくぼけい(アーバンギャルド)にも送らていた。
おおくぼは、4月の花園神社ライブ周辺からキーボードとしてたびたび頭脳警察に加わっているが、
今回は「競演」を越えた存在なのだろうか、PANTAはこの日、自らおおくぼの仕事場に足を運んだ。
 そこでまずPANTAが発した言葉は「洋モノは合わない」‥‥
youtubeで映画の予告編をしばらく観る二人。名作と呼ばれる作品が続くが、PANTAは画面を止めると
慎重に用意されていたであろう言葉を吐き出した。
「PANTAX'S WORLDの、この曲から何かイメージ出来るか」
‥‥その曲が流される(ただしここで曲名は秘密にしておこう)‥‥
やがておおくぼが鍵盤をハジき始た。

okb5bw.jpg


アコギ1本だった『乱破者』のラフに前奏が付いた。とんでもない音だ。
これを聴いた客は、おもわずジャケットの「頭脳警察」の字を確かめるだろう。

 音の色が見え始めたPANTAが次にこだわったのは、速度だった。
「客が拳を上げられるようなスピード感が欲しい」
PANTAの言葉におおくぼが鍵盤を叩きながらBPMを探る。PANTAが口遊む。
「‥‥速くても、物々しい感じを失いたくない」
おおくぼの柔らかい掌が、時に鍵盤に突き刺さる。
やがて、音の中に草叢を走る男の姿が見えて来たのだろうか。PANTAが「これだ」とテンポを決めた。
選ばれたBPMは108。「煩悩の数だ」とPANTAが笑う。
 草叢を走る男の手に、短い刃が鈍く光った。つづくー文責・カントク(不行き届き)
スポンサーサイト



プロフィール

頭脳警察50周年プロジェクト

Author:頭脳警察50周年プロジェクト
激動の1969年に結成された頭脳警察。その半世紀の歴史と現在を追いかけるため、この2019年に新たなプロジェクトが始動しました。

名付けて「頭脳警察50周年プロジェクト」。それが我々の名前です。

最新コメント

カテゴリ